UJA「研究留学のすゝめ! 〜渡航前の準備から留学後のキャリアまで」を読んで

留学を1週間後に控えた身なので、気になって読んでみました。


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正直なことを申し上げますと、僕は学部留学であることもあり、あまり自分にはためにならなかったです。

あと、留学先がアメリカを想定されていたので、その他の留学先に行く人はなかなか当てはまらない話も多いのかと感じました。もちろん、アメリカに行く人が多いのを考えると、ニーズに合わせた本ではあるのでしょうが…。

あとは、タイトルからもわかるのですが、福沢諭吉の引用があまりに多くて、少し辟易してしまいました。筆者は慶応生なのでしょうか(偏見)。


そうは言いましても、研究留学を将来志すとしたらこの本はとてもためになると思います。

ただ、それならまさにこれから行こうとしている人には必読書になるのかというと、必ずそうとも限りません。なぜなら、この本は、かなり内容が所謂理系の分野に寄っているからなんですね。

それも、医学系、薬学、生物系の研究者の留学体験記が多かったです。

僕は臨床心理学をやるので、バイオサイコソーシャルモデルでの理解を深めるためには生物系の知識は必要ですし、薬物療法的なアプローチを研究テーマにするならこうした留学体験記が役に立つかもしれません。


ただ、例えば文系の分野の研究を目的として留学したい人も少なからずいると思います。そうした意味で、寄稿者の経歴にもう少し幅をもたせてほしかったかなぁ、と思いました。



一方で、前述の通り、体験記を交えながら要点を整理して書かれているのでわかりやすい本ではあります。特に、外伝の大学院留学のすすめの話や、奨学金獲得について詳しく書かれている点は僕もためになりました(奨学金についてはあくまで研究奨学金用の内容でしたが)。


何より良いと思ったのは、留学について行った家族の体験記も載せられていたことです。本人の留学はもちろん、2-body problemは非常に重要なので、しっかり両者の目線から触れられていて、より中立な視点で考えることができました。


彼女が研究留学する時とかもしあれば、この本のことを思い出そうと思います。


ごっぴ